鉄筋の組み立てをするのに、鉄筋工ってどんな道具使って仕事するの?
1級鉄筋施工技能士のとも丸*です。
ビル・マンション・学校・橋・高速道路・トンネル・地下鉄など、世の中の多くの生活や行動の基盤となる建築物には、鉄筋コンクリートが用いられることがほとんどです。
そして、その鉄筋コンクリートの中に用いられる鉄筋を、組み立てる工事を行うのが、鉄筋工です。
今回はそんな鉄筋工が、
どんな道具・工具を使って鉄筋を組み上げているのか?その名前なども紹介・解説していきます。
鉄筋工が使う道具・工具
ハッカー
鉄筋同士を縛り固定することを鉄筋の結束といい。その結束に使う結束線(専用の針金)をねじり締め付けるための道具のことをハッカーといい、鉄筋工にとって最も重要な道具になります。
鉄筋工は、このハッカーをいかに早く回し、使いこなせるかが重要となり、鉄筋工としての熟練度をはかる1つの目安にもなっています。
メジャー(コンベックス)
鉄筋の長さ・ピッチ(鉄筋の間隔)の割り付け・高さ・かぶり(コンクリート表面までの空き)の確認など、鉄筋の加工や組み立てには欠かせない、長さや寸法を確認するための道具。
鉄筋のピッチとかぶりはとても重要で、検査項目にもなっていることから、組み立て作業中に、このメジャーを使って何度も確認する必要があります。
主に、25mm幅で5.5mの長さ・巻取りロック付き、の物を使うのが一般的。
折尺(おりしゃく)
こちらも先程のメジャーと使用用途は同じですが、短い距離での使用に特化した道具。
主に、グラスファイバー素材や木製素材で作られ、伸ばした長さは1m。
1mと長さは短いが、固めの素材でできているため、1人で作業する場合など、メジャー(コンベックス)では、風や重力の影響で折れ曲がったり、ふわふわして作業のしずらさを感じる場面で活躍します。
番線カッター(ミニカッター)
鉄筋を結束よりさらに強固に縛る時や、鉄筋を束ね梱包する時に使われる、番線(結束線よりも太い針金)を切断するための道具。
建築現場に加工などされて材料として、運び込まれた鉄筋は番線で梱包されていることがほとんどで、その番線を切断して鉄筋を配筋(所定の位置に配る)しないことには、鉄筋の組み立て作業ができないため、鉄筋工が持っておくべき必須の道具になります。
万能バサミ(結束線カッター)
段取りのために仮止めに結束していた結束線や、組み立てを失敗して組み直す時に結束線を切断する道具。
番線カッターでも結束線は切れますが、先端の細くなった万能バサミの方がより素早く・効率的に結束線を切断できます。
ちなみに、結束線を切断することを「バラすやバラシ」と言います。
もちろん、失敗によるバラシは極力無いようにしなければならないのですが、勘違いによるミスや、図面の読み取りミス、組み立て順序のミスなど、様々な理由でバラシは起こりうる可能性があるため、失敗が発生した場合は素早く効率的に修正することが重要になります。
マーカーペン(マーキングチョーク)
鉄筋を配置する位置とピッチ(鉄筋の間隔)を割り付けるために使う建築用の油性ペン。
雨の中でも鉄筋の組み立て作業は行われ、雨の中でも消えない物が必要になり、作業の中にはmm単位での正確な作業も要求されることもあるので、ペン先の細い物(2mm)が良いとされています。
シノ付き両口ラチェットレンチ(ラチェット)
主に、穴が空いている部分で足場材のボルトを締めたり・緩めたりし、必要の応じて足場の組み換えを行う時に使う道具。
さらに、尖った先端の部分はシノといい、番線など締め付けることもできるようになっています。
穴の部分にはボルト用のサイズがあり、鉄筋工が使うサイズは主に17mm×19mmサイズの物になります。
ハッカケース
主に、ハッカーを収納するための道具。
ケースによって収納できる物の違いはありますが、上記の画像の様に、基本的にハッカー以外の道具も収納できる作りの物が多いです。
安全帯(腰道具)
高い場所(高所)での作業中、万が一の墜落に備えて腰に巻きつける命綱付きベルト。
建築現場では命を守るための必須の道具となっていて、高所での作業時には着用と使用が義務付けられています。
また、ベルトの部分には先程紹介した、ハッカーケースなどを通すことにより、組み立てに使う道具を携帯でき、必要な道具を素早く手に取ることができることから「腰道具」とも言われています。
鉄筋曲げハンドル(ハンドル)
ベンダー付き鉄筋カッター(押し切り)
鉄筋結束機
充電式のコードレス鉄筋結束機。
その名の通り、鉄筋の結束を機械によって簡略化してくれる道具です。
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